山本区政三期目の区政運営について質問を致します。
言うまでもありませんが、行政運営に大切なのは継続性であります。しかし、時代背景や将来の展望を見据えた施策の展開を踏まえ、思い切った計画の変更や中止の決断を行うという気概は、時の首長にとって重要だと考えます。
区政運営に対する姿勢という事でありますが、この事について区長はどの様に考えるのか、まず最初にお伺い致します。
次に、墨田区政の歴史を紐解きながら伺いたいと思います。平成29年度に墨田区政施行(しこう)70周年を山本区政の下で迎えられました。歴代区政の主な実績を振り返ると、初代、勝田菊蔵区政は、まさに墨田区の戦後復興に尽力され、二代、山田四郎区政は墨田区復興後の生活基盤となる墨田区のインフラ整備に尽力されたと聞いております。三代、山崎栄次郎区政は、日本の高度成長期が終焉した時期にあたりますが、隅田川花火大会の復活、両国国技館の誘致、すみだ中小企業センターの建設、不燃建築物建築助成制度の実施などであり、区内産業活性化や気弱な墨田区の防災対策に注力されました。四代、奥山澄雄区政は、日本のバブル期そして終焉に重なる中、墨田区役所新庁舎建設、錦糸町北口再開発、すみだトリフォニーホール建設、雨水利用促進制度等が挙げられますが、奥山区政後半には、区財政の悪化により財政再建団体に陥るのではないかという危機的な状況を生み出しました。五代、山崎昇区政は、前区政の負の遺産を背負いつつも財政再建を果たし、錦糸総合体育館建設、錦糸公園再整備と精工舎跡地の複合施設の誘致、旧中川河川敷桜の植樹、すみだコミュニティバス運行、北斎美術館建設、東京スカイツリー誘致、押上2号踏切連続立体化を墨田区が事業主体として事業化、すみだ中小企業センター廃止などが特筆できます。
以上歴代区政に対する私の主な見聞であります。これだけではありませんが、墨田区政が施行(しこう)して以来、時の区政の働きによって、現在の墨田区における都市基盤等が創出されている訳です。六代目、山本亨区政においても、二期八年間の中で、大学誘致、京成曳舟駅連続立体化、鐘ヶ淵陸上競技場を完成に導き、また、押上二号踏切連続立体化や鐘ヶ淵駅連続立体化の継続事業も進められております。大規模イベントや都市整備は自治体発展の礎であり、区民への豊かさの提供にも寄与する重要な事業です。そこで区長は、今後どの様なものに着目し、墨田区を更に発展させていくお考えなのかご所見をお伺いします。
次に、墨田区の特色について伺います。
墨田区の特色というのは元来、「中小企業のまち」「ものづくりのまち」というものであったと思います。東京の景況感を計るには大田区と墨田区が調査の主体であったのは今や過去の事となってしまいました。時代背景や墨田区の都市化が進む中で、致し方ない感も否めません。山崎栄次郎区政時に建設された「中小企業・ものづくりのまち」のシンボルであった中小企業センターは、山崎昇区政時に廃止となりましたが、東京スカイツリーの立地を契機に墨田区観光協会の法人化も加え、「観光ものづくりのまち」として、前・山崎区政が特色の変化を打ち出したものと思います。そこで伺います。現・山本区政としては、墨田区の特色としてこれを踏襲し、更にブラシュアップをしていくのか、それとも新たな墨田区の特色を創出されていくのかお伺いします。
次に、区長の標榜する「すみだの夢」について伺います。
「すみだの夢」という標語については、定義付がなされておりますが、区民の皆様の受け止めるイメージは、様々であると聞いております。私の受け止め方は、山本区長が墨田区をこうしたいという夢、あるいは、山本区政の独創性を表現しているものの様に思っております。前述に歴代区長を挙げさせて頂きましたが、六代にまたがる区長の中で山本区長は初めての民間区長であり、ある意味、型にとらわれないリーダーシップを発揮される人材として、区民から期待されている事と思うわけです。
今後、区長三期目折り返し時期に、基本構想、基本計画の改定が行われる訳ですが、三期目こそ区長の真価が問われる事と思います。民間区長としての視点や独創性をフルに発揮され、「すみだの夢」実現に向け、これからの区政の舵取りと、これから着手される将来の墨田区発展の羅針盤となる基本構想そして基本計画を創り上げて頂きたく要望致しますが区長の決意をお伺い致します。
最後の質問となりますが、
四月より墨田区議会に再起させて頂いて以来、二回の定例議会と常任委員会、先の決算特別委員会を目の当たりにして参りました。議会と行政とで闊達な質疑応答がある中で、大変残念に思える事があります。それは、特に委員会における理事者答弁でありますが、「他区の状況を見ながら」という発言が何度か見受けられた事です。政策の立案や制度設計を作り上げる過程において周りにおける情報収集は必要な事であるとは思います。しかしながら、議会側からの質問に対して、墨田区としてはどう考えるのかが重要であり、区独自の見解というものを議会側は求めているのではないでしょうか。悪く捉えれば、「周りがやっているから行う。やっていなければ行わない。」という非常に消極的な行政運営に感じてしまいます。各自治体間における行政環境の違いがある中で、墨田区はこう考えているという、はっきりとした答弁を議会側に返す事こそ、今後の議論につながるのではないかと考えますが、行政のトップである区長の見解をお伺いします。